心の中でニヤけているのを必死で我慢。
いつもふざけた会話ばかりしているのに。
急に君を褒めると、変な空気になるでしょ?
急に真面目なトーンになったら気まずいでしょ?
いつもふざけた会話ばかりしているから。
「どうした?」ってなっちゃうから。
みんなの前では君をいじったり、時にはけなしたり。
それが俺の役目だから。
いじってもけなしても、君はいつも笑ってくれる。
本当は笑いたくない時もあるだろうに。
でもみんなが笑ったら、君も笑うしかないんだろう。
君もきっといろいろ考えているんだ。
君もきっと空気を読んでいるんだ。
でも俺は知っているよ。
君の良いところ。
本当は言いたいんだ。
君の良いところ。
よく笑うところ。
まわりに気を遣うところ。
自分のことは後回しにするところ。
恥ずかしがり屋なところ。
ちゃんと相手の目を見て話すところ。
きりがない。
いくらでも君の良いところを挙げることができる。
俺とは違って、君には良いところがたくさんあるんだ。
みんな知ってるよ。
でも俺が一番知ってる。
俺が誰よりも、君の良いところを知ってるんだ。
だけど俺は人前で君を褒めない。
変な空気になるから?
それもあるけど、俺が言うことでほかの人にバレるのが嫌なんだ。
俺だけが知ってるっていう優越感を味わいたいんだ。
ほかの人が知らない、君の良いところを。
みんな知ってる、君の良いところ。
みんな知らない、君の良いところ。
君も知らない、君の良いところ。
ふたりっきりになったら、全部教えてあげる。
だからみんなの前でいじったりけなしたりしても許してくれよ。
ふたりっきりになったら、無理して笑わなくていいから。
無理しなくても笑えるように、俺はがんばるから。
そして今は誰も知らない君の良いところを探すんだ。
俺だけが知ってる、君の良いところを増やすんだ。