演技って観るのとやるのとじゃ大違い。
本当は毎日君に贈り物をしたいんだ。
感謝のしるしに。
ごはんを作ってくれる。
マッサージしてくれる。
愚痴を聞いてくれる。
いろんな話を最後まで聞いてくれる。
俺に合わせてくれる。
俺に会ってくれる。
会えないときは電話してくれる。
そばにいてくれる。
数え上げればキリがない。
だから感謝の数もキリがない。
君は花が好きだから、花束なんていいね。
毎回違った花束を君に贈るんだ。
でも、それは現実的じゃない。
俺はそんなに金を持ってないから。
そんなことしてたら、俺は破産しちゃう。
感謝の数ほどには、金がない。
でも君に対する感謝の気持ちは本物なんだ。
「ありがとう」だけじゃ、物足りなくなる。
花束のように、いろんな「ありがとう」を贈っても、きっと物足りなくなる。
だから俺は考えたんだ。
なにも贈ることができないのなら、俺が君にされて感謝してることを君にしようって。
美味くないけどごはんを作る。
得意じゃないけどマッサージをする。
自信はないけど最後まで君の話を聞く。
愚痴も含めて。
君に合わせられるところは合わせる。
会えないときはなるべく俺から電話する。
少しだけ余裕を持たせたのは、気にしないでくれ。
でも君に会う、そばにいる、は実行できるよ。
俺が君にされてうれしいことはほかにもたくさんあるけれど、とりあえずこれくらいはやってみようと思う。
……これ、嬉しいかい?
俺はうれしいけれど、君はどうなんだろう。
君に対する感謝のしるしになってるのかな。
感謝って伝えるのはなかなか難しいから。
感謝を形に残すのは、ここぞっていうときだけにする。
普段のたくさんの感謝は。
ありふれた感謝は。
やっぱり言葉にしておくよ。
君に伝わる「ありがとう」がちゃんと言えるようにがんばるよ。