お揃いの時計では物足りない。
お揃いのものは恥ずかしい。
君もそうだろ?
面積が大きければ大きいほど人目につきやすいから。
いつもは誰も俺たちのことなんて見ないのに。
お揃いの服を着たらみんな見てくるだろう。
俺は恥ずかしがり屋だから。
みんなに見られると緊張して、うまく歩くことすらできないだろう。
ゆっくり誰の目も気にせず、君と歩きたい。
でも少しだけ、気持ちはわかる。
お揃いのものを身につけたいっていう気持ち。
ほんのちょっとだけ。
だから、いろんなところへ行こう。
一緒にいろんなところへ。
そして、身につけよう。
いろんな思い出を、ふたりの思い出を。
からだに刻み込んで、いつかこの先一緒に思い出して笑い合おう。
これからいろんなところへ一緒に行こう。
お揃いの服は恥ずかしいし、お揃いの時計では物足りないし、お揃いのアクセサリーは本番までとっておくと決めているから。
一緒にいろんなところへ行こう。
お揃いの靴を履いて。
俺は恥ずかしがり屋だから。
そのくらいが、ちょうどいい。