理想って近づくほど遠くなる。
俺が思い描く理想の俺は、もっとどっしりしているはず。
見た目じゃないよ。精神的な話。
俺の予定では、こんなはずじゃなかった。
君に伝える想いをもっと減らさないと。
それが大人の男ってもんだろ?
本当は会うたびに伝えたい。
でもそれじゃダメなんだ。
鬱陶しくなるでしょ?
信じられなくなるでしょ?
だから伝える量を減らすんだ。
ダイエットだ。
理想の男に近づくために。理想の男になるために。
余裕のある男になるんだ。
ダイエットする、とは簡単に言える。
でも実際やってみると、本当に大変なんだ。
すぐにリミットがやってくる。
すぐにコミットしようとしてるのに。
結果が出るには時間がいくらか必要。
結果がでるまでの時間がこんなに長くて苦しいなんて。
慣れちゃえば平気、なんてやってない奴が軽々しく言うんじゃないよ。
いろんな方法を試している。
いろんなダイエット法を。
でもなかなか長続きしないんだ。
楽な方法なんてきっとない。
方法はたったひとつしかない。
ひたすら我慢する。
口から溢れ出そうな想いを必死でこらえる。
我慢し続ければ、理想に近づけるはず。
我慢するたび、そう思う。
でも理想が近づけば近づくほど、果てしなく遠くに感じる。
君はどう思う?
俺は変わった?
変わってなきゃ、寂しいけど。
もうちょっとだけ我慢してみる。
自分との我慢比べ。
君が気づいてくれるまでの我慢。
怖いのはリバウンド。
我慢しきれなくなったときのリバウンドが、怖い。
どれほどの想いを君にぶつけるのだろう。
自分でもわからない。
だから先に言っておく。
引かないでね。