「メリークリスマス」って声に出すことはそうそうない。
クリスマスなんて興味ない。
無頼漢を気取ってみせる。
必死だと思われるのが、恥ずかしいから。
ケーキは用意するよ。苺のショートケーキじゃなく、君の好きなチーズケーキ。
七面鳥は少し食べづらいから、食べ慣れたケンタッキーを。
プレゼントは君が欲しがっていたネックレス。
本当は指輪を一番欲しがっていたけれど。
普段アクセサリーなんかしない俺からしたら、指輪っていうのは特別な存在なんだ。
毎年やってくるクリスマス程度のイベントだとあげられない。
一生モノだから、そのときが来たらって決めてるんだ。
クリスマス自体に関心なんてない。
クリスマスは本来どういう日なのか説明なんてできないから。
そういう意味では本当にクリスマスに興味はない。
でも行事としてのクリスマスには、正直、興味がある。
もっと厳密に言えば、君がどのようにクリスマスを過ごすのかに興味、関心がある。
君と一緒のクリスマス。
数ある選択肢の中から俺を選んでくれてありがとう。
俺と過ごす選択をしてくれてありがとう。
クリスマスに興味ないフリしてるから、言うのは恥ずかしいけれど。
メリークリスマス。