記念日多すぎるともはや試験。
記念日が苦手だ。
何かしなくちゃ、と考えるのが苦手。
そして、記念日を覚えるのが苦手。
だって、多すぎるから。
誕生日やクリスマスといった、メジャーどころは覚えている。
でも、付き合った日とか初○○の日とか何か月記念とか…。
そういったマイナーどころは覚えられない。
記憶に刷り込まれない。
君は訊いてくる。
今日は何の日かわかる?って。
ごめん、わからない。
俺は正直に言う。
君は悲しそうな顔をする。
申し訳ないとは思う。
でも、多すぎる。
多すぎて、もはや試験を受けているみたいだ。
頭の中で必死に思い出そうとはする。
でも出てこない。
いつだって俺の試験の結果は、0点。
それでも君は記念日を作る。
俺のためか、君のためか。
そのたび俺は0点。
それでも君は記念日を増やす。
記念日だらけになって、もはや何かの記念ではなくなっている。
俺はいつだって1日は365分の1。
毎日豪勢な料理を食べるよりも、白米に味噌汁がなんだかんだで一番落ち着く。
それでも君は記念日を増やす。
それは、本当は、素敵なことなのかもしれない。
俺のように毎日が365分のいくつかと思うより。
1日1日に意味合いを持たせる君の考え方の方が、素敵なことなのかもしれない。
でも、ごめん。
やっぱり、これだけあると覚えられない。
今日は何の日?
ん?
言われても、ピンと来ない。
俺は何ひとつ覚えられないけど。
君には覚えていてほしいことがある。
たくさんの記念日は覚えられないけど。
君との思い出はちゃんと覚えている。
君はそれだけ、忘れないでいて。
たったひとつの試験問題。
だから君には満点を取ってほしい。