一番欲しいお揃いのもの。
神経衰弱のようなもの。
俺と君の想い出合わせ。
俺がめくったひとつの想い出。
君がめくったひとつの想い出。
どちらも同じ想い出のはずなのに。
どうにもこうにも。
似ているようで違う。
どこかが何かが違う。
なかなか揃わない。
どっちが正解なのかわからないけど、どのみち違うから揃わない。
どっちも譲らない。
俺も君も。
似てるからいいじゃん、とはならない。
だから結局揃わないまま。
どっちも譲らないから。
自分の方がしっかり覚えている、って。
自分の方がしっかり想っている、って。
負けたくない。
俺も君も。
だから俺は、これから起こるいろんな出来事。
大きなことも小さなことも。
しっかり覚えておくことにする。
君に負けないように。
俺の方が。
しっかり覚えられるように。
しっかり想えるように。
それでもきっと、時には忘れてしまうだろう。
勘違いしてしまうだろう。
想い出を。
君のことを。
そのときは。
これからは。
素直に君の言うことを聞くことにする。
君のことを信じるようにする。
一枚でも多く合わせよう。
ちゃんと神経衰弱になるように。
お揃いの想い出を、少しでも多く。