帰郷するたび数えていく。
すっかり様変わりした町。
記憶の中の故郷とはどんどんかけ離れていく。
それでも懐かしむ場所はいくつも残っていて、そこに行くたびに探してしまう。
君の姿を、探してしまう。
この町にいるのか。
どこにいるのか。
誰といるのか。
どんな髪型なのか。
どんな表情なのか。
どんな姿になったのか。
何もかも知らない。
俺はすっかり様変わり。
君といたあの頃とはまるで違う。
この町のように。
君もそうなのかもしれない。
それでも自信はある。
もし君が目の前に現れたら、すぐに君だとわかる自信はある。
君がどんなに様変わりしていたとしても。
あの頃と変わらないものはいくつもあるから。
この町のように。
帰郷するたび、数えていく。
変わったものと変わらないもの。
だから俺は君の姿を探してしまう。