知っているようで知らないこと。
君に似合いそうな服。
これどう?と訊いたら、あんまり、だって。
君が好きそうな番組をやっていたから録画する。
これ観たいんじゃないの?と訊いたら、今度観るね、だって。
コンビニ行ってくるわ、と言うと、なんかお菓子とジュース買ってきて、だって。
君の好きそうなものをいくつか買って帰る。
ありがとう、と言う割に、思ったような反応ではない。
ジュースも然り。
俺は君のことを知っているようで知らない。
ちなみに、焼肉食べに行こうか、と言うと確実に喜ぶことは知っている。
君の香りはわかるけれど、使っている香水の名前は知らない。
君が好きな芸能人は知っているけど、俺との共通点は見つからない。
足のサイズは知れないけれど、指輪のサイズは知っている。
君のことを知っているようで知らない。
知らないことは、これからの伸びしろってことで。
忘れることはきっとないから。
これから新たに知った分だけ、君を深く知ることになる。
俺に伸びしろはまだまだ十分にある。