空がどれだけ低くても手は届かない。
君は脚が速い。
どれだけ必死に追いかけても、君に追いつくことができない。
いろんな努力を積み重ねても。
俺なりの努力を積み重ねても。
君のところまで辿り着けない。
手を伸ばせば届きそうなところに君がいても。
どうしても君に触れることができない。
手を伸ばす勇気がないから、だなんて言わないで。
努力を積み重ねていても、手を伸ばしても、今はまだ君に届かない。
君は脚が速くて、足も早い。
人は誰しも生ものだから。
君の旬が過ぎる前に。
君の旬は俺がおいしくいただくから。
そんなに怒らないでおくれ。
時間がないから、言い訳はあとからする。
今言えることは、君の旬がいつかなんてわからないってこと。
だから焦っているんだ。
もしかしたら、君の旬は今かもしれない。
その可能性は限りなく低いと踏んでいるけど。
でも可能性はゼロじゃないから、時間がない。
君は脚が速いから。
どれだけ必死に追いかけても、君には届かない。
これだけ離れていたらわからない。
君の旬がいつかなんて、わかるはずがない。
時間がない。
だから、少しでも早く、君の元へと辿り着きたいんだ。