言葉にできないものを探しに。
今はなんだって検索することができる。
検索したらコンピューターがその傾向を読んで、それに関連するものや好きそうなものを探し出してくれる。
有難いような、余計なお世話なような。
もし君が、好きなタイプを検索したとしたら。
俺に関連することが出てくるのだろうか。
性格とか趣味とか容姿とか。
今はなんだって検索することができるから。
上手く言葉に表せないことだって。
いくつか単語を組み合わせれば、探し出すことができる。
この世に存在する膨大なデータからありとあらゆる情報を導き出し、言葉にしてくれる。
そうそう、こういうこと。
そんなこともあるだろう。
有難いような、そうじゃないような。
もし俺が、好きなタイプを検索したら。
君に関連することは出てくるのだろうか。
世の中にはたくさん情報があって、いろんな人がいるから。
そこから傾向と対策を練ったら、君のことが出てくるのだろうか。
もしくは君に近しい何かが。
まったく違うものが出てくる可能性だって、きっとある。
それでも。
そうだとしても。
ふと君を見て。
ああ、やっぱり好きだな。
と思うことはいくらでもある。
それは言葉にできることじゃないから。
検索しようがない。
それにぴったりな言葉が思いつかないから。
検索しようがないんだ。