「絶対」の価値は変動制。
君の好きなところ。
今からなら、絶対に朝まで言える。
今はまだ夕方だけど、その自信はあった。
でも言いはじめたら、まだ5分も経っていないのに言葉を探している。
こんなはずじゃなかったのに。
君が洋服選びで白か黒か迷っている。
絶対に白の方がいいって。
聞かれたわけではないけど、俺は言う。
だって白の方が君に似合うから。
絶対に。
そう思っていたのに。
今では黒でも良かったかな、なんて思ってしまう。
もちろん、君には内緒。
こんなはずじゃなかったのに。
俺の根拠のない、絶対。
でも、その時は本当に絶対だと思っている。
君は信じていないだろうけど、それは揺るぎない事実。
だからそんなに問い詰めないで。
だからそんなに冷たい目で見ないで。
絶対、と言う俺の気持ちをわかってほしい。
確かに、絶対だったんだ。
絶対に絶対だったんだ。
あの時は。